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知り合いに触発されてSS書きたい病再発!
結構前に書いて別ブログに上げさせてもらっていたSSをこっちでも上げてみようと思い立ちました。
志摩の能力が発現した時のお話です。

SS苦手と言う方は回れ右をお願い致します。

以下SS



鎌倉にやってきてもう三ヶ月。

あっという間だったなぁ。

個性的な部活に参加したり、ゴーストタウンに行ったり、戦争に参加したり。
故郷に居たら体験できなかっただろう事ばかり。

休日、いつもの神社で一人稽古を終えた私は境内でぼんやりとそんな事を思う。
個性的な人達に囲まれて、毎日が刺激に満ちている。
学園生活は充実してると思う。
【能力】に目覚めなければ、私はここに来る事はなかっただろう。

でも、鎌倉に、銀誓館に来る事が決まった時。


私は涙を流したんだ。



「…志摩」
静まり返った広間にお父さんの声が聞こえた。
周りには親戚のおじさんやおばさん達。
いつもは優しくてあったかい人達なのに、今はただ何も言わずに私を見つめている。

なんだか値踏みされている様な視線が怖くて、
居たたまれない気持ちになる。

「志摩、こちらを向きなさい」
またお父さんの声がした。 
いつの間にか俯いていたらしい。
顔を上げるとお父さんが見たことも無いような厳しい顔で私を見つめていた。
思わず身体が硬くなる。

「山の廃村に行ったそうだな?」
「…はい」
お父さんの問いに私はそう答えた。
私の住んでいる山には廃村がいくつかある。
古い民家がいくつも建っていて、大人達には危ないからと止められていたけれど、子供にとっては良い遊び場だった。

今までとは違う廃村を偶然見つけたと言う従妹の真那と2人で出かけて。
でも、ある民家に入った時に見たことの無い生き物 ――影が実体化したような―― を見てしまった。

その姿はまさに幽霊。
そいつの私達を見る目は、獲物を見つけた肉食獣のそれと同じだった。

何故か民家から出られなくなった私達は訳も判らず必死に逃げ回り、ついに追い詰めらた。
どうしようもなくて、怯えて動けなくなった真那を守らなければとそいつに立ち向かった事までは覚えてる。

そいつに腕の肉を食いちぎられながら蹴りを放った事までは覚えているけれど、そこから記憶が曖昧だ。
何をどうしたのか判らないけれど、気づいたらお父さんの背中におんぶされていた。 

思い出して思わず身体が震える。 

もしかしたら私はあそこで死んでいたかもしれなかったのだ。


「あそこで何をしていたんだ?」
再びお父さんの問い。

どうしよう、どう答えよう。

幽霊なんて言っても信じてもらえない。
どう言おうか迷っていると。

「幽霊を見たか?」
「…え??」

何で知ってるの?
私の表情で察したらしい。
お父さんは頷いて、おじさん、おばさん達に顔を向けた。

「間違いないようだ。学園から来た方達に確認してもらったが、すでに地縛霊はあそこにはいないらしい」

「では志摩ちゃんが…?」

「やっと【能力者】が生まれたのか…」



途端にざわつく広間。

訳の判らない単語が飛び交う。 能力者って何だろう?

私が混乱していると。


「志摩」

お父さんの声に慌てて顔を向ける。

何故かお父さんは悲しいような、それでいて誇らしげな複雑な表情をしていた。

「お前に大事な話がある、今から話す事を良く聞きなさい…」





それから聞かされた話はとても信じられない話だった。


今日見た様な怪異は現代に少なからず存在する事。



武神家のご先祖は怪異と戦っていた人で、私が修めている古い武術は元々はそういった存在と戦う為の物である事。



700年前に世界結界と言う物ができて、怪異は追放されていたけれど、今になってまた怪異が現れている事。



怪異と戦える【能力】を持つ人間は【能力者】と呼ばれ、鎌倉に銀誓館学園と言う大きな拠点がある事。




まるで小説か漫画の世界みたいだ。

昨日までだったら冗談だと思っただろう。

でも、あの黒い影を見た今なら、それが本当だと判る。

だったら。

何で私は助かったんだろう?


「志摩、お前は鎌倉に行かなければならない」

「え…? 何で…?」

突然の言葉に戸惑う。

でも、どこかやはりと納得する私がいた。


「お前も【能力者】なんだよ、志摩」

お父さんの言葉が意識に浸透していく。


「お前と一緒にあの霊を見たはずの真那はその事を全く覚えていなかった。 怪異を見てもそれを怪異と認められる事 、それこそが【能力】を持っている何よりの証だ」



その言葉を聞きながら私は涙を流していた。

何で涙が出るのか判らないけれど。



でも一つだけ。



私の行く先はもう変えられないだろう。

その事だけは何故かはっきりと判った。
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